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2013年WBC準決勝 日本×プエルトリコ 8回 内川暴走の真相(僕の解釈ね)

公開日: : 最終更新日:2014/02/12 雑談

悔しさで夜も眠れないです。はい。

日本の三連覇が期待された2013年WBC(ワールドベースボールクラシック)ですが、準決勝でプエルトリコに敗れ3位に終わりました。

プエルトリコ 1 0 0  0 0 0  2 0 0  3
日本.     0 0 0  0 0 0  0 1 0  1

勝利投手 :M・サンティアゴ(1勝1敗0S)
セーブ.  :カブレラ(0勝0敗3S)
敗戦投手 :前田健(2勝1敗0S)

バッテリー
日本.    :前田健、能見、摂津、杉内、涌井、山口- 阿部
プエルトリコ:M・サンティアゴ、デラトーレ、セデーニョ、フォンタネス、ロメロ、カブレラ- Y・モリーナ

本塁打
プエルトリコ:リオス 7回表 1号2ラン
日本.    :

そしてなんといっても8回裏日本の攻撃!

3-1と2点ビハインドの場面ながら、ワンナウト1,2塁のチャンス、しかもバッターは四番の阿部慎之助という好機に、1塁ランナーの内川が盗塁。

しかし2塁ランナーの井端は動かず2塁で糞詰まり、相手キャッチャーが2塁まで歩いてきてタッチされアウトという信じられない事件が起きました。

こちらがその動画

そして内川さんが「飛び出すのはアゴだけにしてくれ」とTwitter民から言われ(そうなので)号泣してしまうと

entry_img_1654

で、これの真相をお話しましょうというわけです。

※あくまでも僕の解釈ね。

そもそもどんなサインだったのか?

まず、最初にどんなサインだったのか?というのが最大の関心事です。

それにより

  • 内川のサインミス
  • 井端のサイン見落とし
  • 山本監督の迷采配

か、などが分かりそうです。

記者会見や現地報道の翻訳などで洗っていくと

山本監督 「ダブルスチールをしてもいいというサインだったが、二塁ランナーの井端選手のスタートが遅れて、ああいう結果になった」

ソース http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130318/k10013276141000.html

内川選手 「全部いい訳になるけど僕が全部壊してしまった。過去の先輩たちにも申し訳ない気持ちで一杯です」

ソース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130318-00000011-spnavi-base

まず、重要なのが盗塁のサインが出ていたというのは事実です。

盗塁にもいろいろあるけど(行けたら行け)

そうしますと内川は盗塁をして、井端がしていないので井端のサインミスということになりそうでしょうが、お気付きの通り

ダブルスチールをしてもいいというサイン

というわけで、野球経験者ならだれもが知っていると思いますが、いわゆる

行けたら行け

です。

ランナーが自分で判断して走れる!と思った時に自由に走っていいというやつです。

この件に関して、そんな曖昧なサインを出す監督が悪いという批判があります。

このケースでどうか?というのは後で話すとして、そもそも論「行けたら行け」というサイン自体は一般的によく用いられます。

「何球目に走れ」「次の球で走れ」というサインではなく、実際のランナーの感覚で

モーションが盗めそうだったり、牽制が無さそうだったりというのはかなりシビアなところです。

そうした時に信頼出来るランナーに自分のリアルタイムな判断でというのは作戦としてはアリで、もちろん使われています。

ここまでの状況確認

ここまで事実と条件整理がわかると、まずはどういった事象が起きたのか想像出来ます。

行けたら行けのサインなのでランナーは当然盗塁ができるチャンスを伺います。

本件も井端が「スチールを試みるもスタートが遅れて戻った」的な発言をしたとの記事を見ました。
※すいません。ソース失念です。

そして、その場面で1塁ランナーの内川は一般論としてそれに連動して走らなければなりません。

通常1,2塁の場面で2塁ランナーがスタートしたら、それと連動して1塁ランナーもスタートを切ります。

そのほうが1球で一気に2,3塁のチャンスにできるのはもちろん、、、

3盗のほうが盗塁捕殺しやすいから、キャッチャーは当然3塁に送球するため、1塁から2塁へは簡単に進めるという考えのもとです。

最初に紹介した問題の動画で、途中から以下再生されます。

井端が盗塁のポーズを取ったのに合わせて内川も走り出します。

しかし井端は「スチールを試みるもスタートが遅れて戻った」ものの内川はそのまま走ってしまい。。。というのが動画でよくわかります。

これについてMLB.NETの解説者ハロルド・レイノルズとジョン・スモルツのコメント。

一塁ランナーは二塁ランナーが良いスタートを切れずに戻る事を想定して、三塁に走った事を必ず確認しなければならない。顔を上げずに走った内川の走塁ミス

つまり整理すると

  1. 行けたら行けのサインが出ていた
  2. それにしたがい2塁井端がスチールを試みるが、実際には走らなかった(走れなかった)
  3. 井端のアクションを見て内川が連動してスタート切ったが、井端が走っていなかった

正直この部分に関しては確かに内川の過失はあったと思います。

しかし、一つ配慮すべきことがあります。

なぜ内川はそんなに焦っていたのか?

さっき説明した、、、

1塁ランナーは連動して走らなければならない。

3盗のほうが盗塁捕殺しやすいから、キャッチャーは当然3塁に送球するため、1塁から2塁へは簡単に進めるという考えがあるから。

しかし、その心理をついてあえて2塁に送球するという行為は近年時折見るようになりました。
※ドカベンでもそういうシーンがあります。

3盗というのはよほどピッチャーのモーションを盗む自信があったり、チャレンジスタートを切っていたりするので、意外と成功率が高かったりします。

それに加えて、キャッチャーは当然3塁に送球するため、1塁から2塁へは簡単に進めるという前提にかまけて、1塁から2塁へのスチールモーションは遅かったりするからです。

そこを狙って機転の効くキャッチャーが2塁に投げたりします。確か城島もしてたような気がします。

このことが内川の頭にあったのなら、本件の連動スタートも決して気が抜けません。

更に相手チームのキャッチャーはメジャーナンバーワン捕手の呼び声高い「ヤディアー・モリーナ」です。

この爆肩見てください。

当然内川の頭の中にもあったでしょう。

結果論を承知で言えば、無理に走る必要はなかったということですが、もし3盗だけ決まって1,3塁になったらすごく怒られるので。

繰り返しですが内川に過失があったのは事実ですが、サインミスの超ボーンヘッドというわけではないのでしょう。

4番の場面で動く必要があったか?

阿部慎之助という日本の4番で誰もが攻守の要としてキーマンの一人にあげていました。

大会序盤は調子が上がらず不安視されていましたが、さすがに徐々に調子は上げてきていました。

その場面で、信頼出来るバッターで動く必要があったか?というのは正論だと思います。

ただ、それは同点のランナーを得点圏に進めて阿部という好打者の効果を最大化したいという阿部を神格化すればするほど一緒に抱える話です。

同時に3塁にランナーが来るとバッテリーエラーの可能性を考慮して落ちるボールが使いにくくなり外野フライが出やすくなる、というのもあります。

メジャーで活躍している捕手なので、データも多くランナー3塁の場面の時の配球の割合もデータとして持っていたかも知れません。

ゲッツーの危惧を配慮するならエンドランでよかったのでは?

前の4番の場面で動く必要があったか?と相反するものではあります。

4番の場面で動く必要があったか?派の意見の人から言わせれば、盗塁とは違いバッターにもアクションを要求する作戦なので、よりNGでしょう。

更にエンドランは阿倍が空振りした場合はただの盗塁失敗になってしまう可能性がありますのでリスクをはらんでいます。

行けたら行けとは違いサインでバッターと歩調を合わせるので、まずいスタートでも走らなければならないので。

上記2つのテーマは、阿部へ期待度の高さに応じて見解が分かれるので、結論は出にくいです。

作戦的によかったのか?

この事象を冷静に分析するために、一番よいテーマはこれです。

という事についてですが、結論的に僕は

選択肢の一つとしてアリだったし、やってみる価値は全然あった

という印象を持っています。

成功する目星はあったし、色々と成功のために緻密に動いていました。(と、勝手に僕は思ってます笑)

作戦成功のための布石や要因

左バッターなので3塁への送球はしやすいので盗塁は成功しにくい

という意見は大変多いですが、一つ言えるのは左バッター阿部というところで、サウスポーのロメロを投入しています。

左ピッチャーは2塁走者が見えにくいのでリードが取りやすいです。

そして、ロメロはモーションが大きくクイックモーションに難があることはデータとしてあり、事前のミーティングでも情報共有できているという話があります。

そして、最初の行けたら行けなんていう中途半端な作戦をこんな大事な場面で出すのはおかしい!というのに関しては、もちろん一理あります。

しかし、かなりのチャレンジを仕掛けなければならないくらい追い詰められたというのを除いても、行けたら行けという作戦で行ったのは、こういった意図があります。(と勝手に思ってます)

サインにはブロックサインとフラッシュサインがあります。

ブロックサインとはおなじみの体の色んな所を触って出すやつで、

・帽子のつばがキーで次に左肘をさわったらバント

とかのあれです。

反対にフラッシュサインは、

・メガホンを持ったらスクイズ
・腕を組んだらディレードスチール

って感じです。

ブロックサインを普段使っている場面をキャッチャーは見ていたりします。

それは解読できるかどうか?というのもありますが、何か動きそうな時に確認してたりします。

で、今回はサインを何も出してすらいない。ということは何も無いな!と思わせておいて、実はメガホンを持っていたのでスクイズされた。

みたいな感じで使います。

このように、ブロックサインとフラッシュサインを組み合わせることにより、効果的な作戦が使えます。

そして今回はこの行けたら行けが結果的に、本人の判断で行くのでいつ行くかは相手はおろか見方にもわかりません。

皮肉なことに内川にもわからず結果井端に騙されたみたいになっちゃいましたが。

で、キャッチャーがサインを出すところを見ようとして、

・ゲッツー警戒でエンドラン
・ひょっとしたら阿部に奇襲でバントも

なんて考えているところに、ダーレもなんにもサインを出していません。

フラッシュも考えられますが、まあ普通に考えれば4番キャプテン阿部にすべて託したんだろうな。と考えます。

おそらくサインは阿部のところで出てきたロメロの投球練習中に緒方1塁コーチから直接告げたのでしょう。
※鳥谷の奇跡の盗塁の様に緒方コーチ独自なのか、山本監督→緒方コーチというリレーがあったかはわかりませんが。
※フラッシュサインでは無いですが、フラッシュ的な意味合いを持ちますよね。

そうすると本当に意表をつくことができます。

僕は正直ランナーが曲者井端というのもあって、まあまあ高い確率で3盗は決まっていたんじゃないのかな?って思うので、今回の作戦はアリじゃないのってことを思うわけです。

そしたら1アウト2,3塁で阿部がライトに犠牲フライ打って、1点差になり2塁ランナーも同時にタッチアップして2アウト3塁でヒット打ってる坂本で。。。。。。

やめよ、悲しくなるから。

というわけで。楽しみがひとつなくなった今日このごろです。

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