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知多市議会議員「川脇ひろゆき議員」を訪ねて~その2 地方議員の分類と選挙にでるキッカケ~

公開日: : 政治

知多市議会議員「川脇ひろゆき議員」へのインタビュー連載2回目です。

【過去記事】
知多市議会議員「川脇ひろゆき議員」を訪ねて~プロローグ~
知多市議会議員「川脇ひろゆき議員」を訪ねて~その1 選挙所感と市議会議員のお仕事とは?~

だいぶ間空いてしまい、すいませんm(__)m

市議会議員の分類

-続いて市議会議員の人たちはどういった人がなるのか?みたいな話でよく聞くのは弁護士さんだったりお医者さんだったり、あと知多市で言えば一般企業の社員の方なんてのもよく見受けられますが?やっぱり兼業の方が多いんですか?

他の市議会議員の方々の所属を正確に把握しているわけではありませんので、私の認識としてという前提となりますが、自営業の方、労働組合の方(企業勤務との兼業)、定年退職をされた方、専業議員に分けられると思います。

一番多いのはやはり自営業の方です。といいますのも、自身の裁量で時間をコントロールできるというのが彼らの強みであり、議員との兼業がやり易いのでしょう。これは知多市に限らず、地方議員の傾向として多いケースです。

そして次に多いのが労働組合推薦の方です。この方々は、普段は一般的なサラリーマンと同様に企業に勤務されていらっしゃいます。そのため、サラリーマン兼市議会議員という形ですね。この形態は愛知県や地元に有力企業を抱える自治体で多いのですが、労働組合が自社の社員を市議会に送り出しています。

あとは、定年退職された後に議員になられた方と、市議会議員以外の職を持たない方が、専業の議員という位置付けだと認識しております。私もこの専業議員に属しますが、知多市議会議員の20名のうち、半数以上は兼業議員の方です。ここでお伝えしたのは、兼業の是非ではなく、議員の方のステータスはどうなっているのか? というご説明として認識していただければ幸いです。

余談ですが、議員というのは不安定な職業ですので、専業はやはりリスクが高いなとは感じています。自営業の方であれば、本業の収入がございますし、労組の方は企業から月々の給与と年に2度のボーナスが支給されますので、議員報酬以外からの安定収入があり、生活設計がしっかりできます。

-年齢的にはどうでしょう?最初のところでもお話しましたがやはり若い方がどんどんこういう世界に入って行くべきと僕個人は考えているのですが?

手持ちで議員一覧を持参しておりますので、実情をお伝えしますと、2015年6月1日時点で、

60歳代:8人、50歳代:7人、40歳代:3人、30歳代:1人、20歳代:1名

という年齢構成です。

私は34歳ですので、下から2番目です。一番若い方は共産党の議員の方で28歳、知多半島内で一番若いとおっしゃっておられました。

-それがやっぱり僕としては悔しい(笑)んですよね。(川脇議員は最年少と思っていた)

インタビュー中の様子

インタビュー中の様子

ありがとうございます、最年少ではなくて僕も残念です(笑)。

ちなみに、立候補する時も当選してからも、歳をお伝えすると若いよね!と言われますが、私としては34歳というのは、若さを売りにできる年齢ではないと考えています。スポーツ選手であれば引退を考える年頃ですし、優秀な企業人であれば管理職になる年頃です。20歳代で起業して企業経営されている方もいらっしゃいますし、30歳中頃というのは、人生のキャリア選択において後半にさしかかっていると思います。

そのため、私も学生時代に学んだ知識や、企業で培った経験を活かして、市議会議員として目に見える形で成果が発揮できるように貢献していきたいと考えています。

話がややずれましたが、現状はやはり年配の方が多いという印象ですので、若者から年配の方まで、いろんな世代の方が議員として活動されるのが理想的だと思います。

-ただ、川脇さんはじめ現に若い方も少数とはいえ当選されている。今後そういった部分では潮目は変わってくる可能性はありますか?

確かに以前に比べると若年層の議員も増えてきたように感じています。インターネットの進化やスマートフォンの普及により、多様な選挙活動の可能性が広がりましたので、それらを積極的に活用して立候補する若者も珍しくありません。がしかし、全国を見まわしてみると、敗れた候補も多くいらっしゃいます。若いから投票して貰えるか?というと決してそうではないという印象です。

日本は高齢者層と若年層で圧倒的な投票率の差があるわけですが、それを改善するためには、投票の仕組みを変える必要があると個人的には考えています。東京都が調査したデータによると、選挙に行かなかった理由(投票を棄権した理由)の第一位は、「仕事が忙しく、時間がなかったから」です。つまりは、忙しくて投票に行く暇がない、もしくは、投票する行為が手間である(面倒だ)、と考えて投票しない層が一番多い。もっと簡単に、例えば自宅でパソコンやスマホで投票できる仕組みが整えば、投票率はずっと改善すると考えています。

現在のIT技術を活用すれば、それほど難しいシステムではないはずです。既得権益などいろいろありますので、ハードルは高いでしょうが…。

-有権者の年齢分布はだいたいどんな形なんでしょうか?やはり地方のほうが高齢者の比率が高くてなんてこともあると思いますが。

先ほどの東京都のデータによると、21歳~24歳の投票率は約33%、65歳~69歳の投票率は約70%と相当な開きがありますね。人口動態も違いますので、人数比でいうともっと大きくなるでしょう。都会と地方の比率の差は残念ながら把握しておりません。

-唯でさえ人口比率で差が相当あるのに、さらに投票率も若い世代が低いとなると。。。

大阪都構想の是非を巡る住民投票の結果にも表れましたが、世代間の差というのはやはり大きいと感じています。高齢者の方の人数が若年層よりも圧倒的に多く、投票率も高いという事実がある。
とすると、年配の方から投票をしていただかないと選挙に勝つことはできません。

ただし、世代間格差を争点とするような選挙は好ましくないと個人的には感じています。年配の方にはお孫さんがいらっしゃる方が多く、それはそれはとても可愛がっていらっしゃる。
高齢者の方もきっと、将来により良い政治や地域行政が実現されることを願っているはずであり、やみくもに年齢格差を煽るべきではないと考えますが、それは選挙戦略として正しいのか? 綺麗ごとで票が取れるのか? というシビアなことを考えると難しいことなのかもしれません。

-そんな不利な状況のなか、なんとか滑りこんだ。。。という表現は大丈夫ですか?(笑)

はい、運が良くなんとか最下位当選で滑り込ませていただきました(笑)不名誉な記録ですが、過去の知多市議会議員選挙で一番少ない投票数での当選だと思います。

最下位当選だけれども、川脇は頑張っているよね、市政に貢献しているよね、と言われるように日々精進して参ります。

当選されてみて

-当選されてみて周りの方々の反応はどうだったでしょう?

家族や友人をはじめとして、応援していただいた方に喜んでいただけて、心からホッといたしました。

それと同時に「なんでこんなに票数取れなかったの?」という意見も頂きました。これは特に、前職の仕事の関係者や、大学の友人など、知多市に関わりのない方に多い意見です。彼らは先入観なしに、知多市議会議員の候補者と政策をざっと見て比較する。そうすると、ライバルよりも学歴も職歴も良い。政策もよく考えられているし、チラシも立派だ。

それなのに、全然票が取れないんだね? という反応が返ってくる。

-そもそも浮動票的なものって特に知多市含め地方ですとやっぱり少ないですもんね?

まさにおっしゃる通りです(笑)。浮動票というものはあまり地方に存在しない。どれだけ政策をアピールしても、熱意で溢れていても、地元の繋がりが薄いと票を入れていただけない。

その辺りの読みが甘かったのは反省しています。

-選挙が始まる前から、それこそ政策がどうこう以前にだれに投票するか決まっちゃってる。みたいな層が多くてその人達の支持を引っ張ってくるっていうのは更にハードルが上がりますよね?

知多市に関係のない、いわゆる第三者の方がそれぞれの経歴や、公約、主義主張を見比べて、という勝負であれば違うのでしょうし、自分でも自信をもって意義のある提言をできている。という自負もあります。

しかし残念ながら、選挙はそういう勝負ではないですね。合理性よりも情緒性。それをしみじみと学びました。

ただし、理想論かもしれませんが、私は適性や能力で選別されるのが望ましいと考えています。世界は生まれつき不公平に作られており、平等なんて台詞は絵空事でしょう。それでも、投票する方一人一人が投票する前に、より良い地域行政のために求められる能力は何で、どんな人物がふさわしいかをじっくり考えて投票していただけると良いなと思っています。いま政治に必要なのは合理性であると考えていますので。

地域のイベントへの参加も大事でしょう。でも、議員は税金から給料をいただいて仕事をしている。地域行事は仕事の本分ではありません。組織が応援する候補だから、地元だから投票することが果たして地域行政にとってプラスでしょうか?

私はしがらみに囚われず、これまでの経験とスキルを活かして、市政に適切に貢献し、住民の皆さまに認めて貰えるように頑張りたいと考えています。

選挙に出られるキッカケ

-少し時系列的に前後しますが、そもそも選挙に出られようと思われた理由、これを詳しく教えていただけますか?

大きな理由として2つあります。
一つ目が、「地元の知多市のために働きたい」という想いです。

私は大学進学時から知多市を離れていまして、学生生活は京都、就職は東京が本社のNTTです。東京、大阪、名古屋と勤務しました。都会は楽しく、仕事も充実しており、それなりに満足した20歳代を過ごせて感謝しております。

それでも、これからの人生設計を考えた時に、やはり生まれ育った地の知多市への愛着や思い入れもあり、知多市で地元のために働ければ理想だなと考えました。

もう一つは、「議員の新たな働き方を実現したい」という思いです。前職の仕事内容に関係するのですが、NTTに勤めていた際に一番長く所属していたのが、官公庁関連の仕事をする部署です。上司や先輩にも恵まれ、非常にやりがいのある仕事でした。

仕事を簡単に説明すると、国が掲げるITや通信に関わる施策を、民間企業が請け負って推進する仕事です。わかりやすい例えとして、震災地復興として、どこそこの高地に住宅を造ったり新たに堤防を造ったりという事業がありますよね? あれば、国の復興や建設に係る予算を建設関係の企業が受注して遂行しますが、ITや情報通信に関しても同様に国の予算を活用して地域振興などの取り組みが実施される。

私がやっていたのは、ITを活用した地域振興、地域活性化の仕事であり、このスキルやスキームは市議会議員という仕事に活かせるのではないか? と考えたわけです。今後は、この経験を活かして、国の予算を知多市で活用するようなアプローチもしていきたいと考えています。

-知多市にもそういった形でIT系のインフラの整備であったりとかをしていきたいと。

例えば、私がプロジェクトに関わっていた「テレワーク(在宅勤務)」は非常に可能性があると感じています。知多市は働く先が少ないのが問題になっていますが、自宅にいながらにして仕事をすることができれば、子育てや介護で通勤や長時間労働が困難な方へも、新たな働き方の可能性がある。

もちろん、誰もができるか? といえば、ある程度のITスキルや特殊な技能を持った方が対象となりますが、それでも努力してスキルを身に着けることで、自宅にいながらにして働くワークスタイルが実現できるとすれば、素晴らしい選択肢と言えるのではないでしょうか?

国が推進する施策に適切に知多市がキャッチアップしていく。これは私の経験が活かせる分野であると確信しています。

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-その他の理由はありますか?

感傷的になりますが、自己実現的な動機があります。

前職のNTTは労働環境としては日本屈指の企業であったと思います。年に20日の有給休暇がきっちりと取得でき、サービス残業をしたこともありません。残業代や手当を含めて、30歳時点で700万円弱の収入を得られました。

もちろん、商社やメガバンク、外資やマスコミに勤務している友人で、私よりもずっと多い収入を得ている者もいましたが、ワークライフバランスとしては良好でした。そのため、転職を考えたこともありません。

ただそれでも、サラリーマンである以上、会社の指示や命令には従わずをえない。例えば、異動や転勤などの辞令への拒否権はありませんし、自身が望まない仕事もやらなければならない。当然のことなので、ここに異を唱えるつもりはないのですが、それでも、納得のいかないことはある。

自身の人生は、自分で選択していきたい。わがままで青臭いかもしれませんが、自分で自分の生き方を選んで、自分がやるべきだと思うことに全力を傾けられる仕事。その選択肢が私にとって市議会議員という選択です。

もちろん、4年に一度選挙というジャッジが下るため、将来の安定性リスクは大きくなりますが、自分で道を切り開き、自分の生き方に対して責任をもってやりたいことやるべきことをする、という魅力が大きいという気持ちで知多市議会議員に立候補いたしました。

最下位当選という結果で怯えていますけれども(苦笑)、この志を胸にこれから頑張っていきたいと思います。

次回予告

次回はもっと短いスパンで出来るように頑張ります!!

乞うご期待!

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  • 高橋拓郎歳)
    愛知県知多市生まれ。
    大学在学中に個人で始めた事業を、大学院中退後法人化(法人化のために中退が正しいかも)。
    簡単にコンタクトとれるのでt@takuro.infoまで何か御用があればなんなりと。
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